注文住宅のお客様の土地を探していると、土地情報の中で「売主」と表示された物件を見ることがあります。
ハウスメーカー・住宅会社の営業担当者にとって、売主物件は土地探しの候補の一つです。
ただし、「売主物件だから必ず良い」「売主物件なら条件が有利」と一律に判断することはできません。
大切なのは、その土地が、
- 顧客の希望エリアに合っているか
- 通勤・通学条件に合っているか
- 土地予算に合っているか
- 建物希望と照合できるか
- 土地と建物を合わせた総予算で検討できるか
- 必要な確認事項が整理されているか
を一つずつ確認することです。
この記事では、
株式会社富晴の売主物件等も土地探しの候補として考える際に、
ハウスメーカー営業担当者がどのような視点で情報を整理すればよいのかを解説します。
ChatGPTなどのAIも、
物件を選ぶためではなく、
顧客条件・建物条件・土地情報・未確認事項を整理するため
に活用します。
まず「売主物件」と「その土地が顧客に合うか」を分けて考える
土地情報を見るとき、
取引上の情報と、
顧客にとっての適合性は分けて考える必要があります。
たとえば、
売主物件であることが確認できても、
それだけでは、
- 希望する家が建てられるか
- 予算に合うか
- 通勤しやすいか
- 駐車場や庭の希望を満たせるか
- 顧客がその場所で暮らしたいと思えるか
は分かりません。
そのため、
「売主物件である」という情報は、
土地を評価する材料の一つとして扱います。
取引形態だけで土地を選ばず、
家づくり全体から確認する。
これが基本です。
売主物件を見る前に、顧客条件を整理しておく
土地情報を先に大量に見るよりも、
まず顧客の希望条件を整理しておくと、
候補地を比較しやすくなります。
たとえば、
- 希望エリア
- 希望路線・駅
- 通勤・通学条件
- 駅からの距離
- 土地予算
- 建物予算
- 総予算
- 希望する建物規模
- 間取り
- 駐車場
- 庭
- 絶対条件
- 優先条件
- 調整可能と確認できている条件
- 未確認事項
などです。
こうした条件が整理されていれば、
売主物件を見つけたときに、
「良さそうだから紹介する」
ではなく、
顧客条件と照合して次の確認へ進む
ことができます。
売主物件の公開情報は、正式な情報を基準に確認する
売主物件を土地探しへ活用するときは、
物件の正式な公開情報や提供資料を基準に確認します。
たとえば、
- 所在地
- 土地面積
- 価格
- 交通
- 接道
- 用途地域
- 建ぺい率
- 容積率
- その他の記載事項
など、
公開情報から確認できる内容を整理します。
反対に、
資料や正式情報で確認できていない内容を、
AIや営業担当者が補ってはいけません。
特に、
- 建築条件なし
- 好きなハウスメーカーで建築できる
- 特定の建物が建築可能
- 確定した駐車可能台数
- 確定した建物面積
- 法令条件
- 設備条件
などは、
確認できる根拠がある場合のみ扱います。
土地面積だけを見て「希望する家が入る」と判断しない
売主物件の土地面積が、
顧客の希望していた目安に近いことがあります。
しかし、
土地面積だけを見て
「この土地なら希望する家が建てられる」
と判断することはできません。
実際の建物計画には、
- 土地形状
- 間口
- 接道
- 道路条件
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- 高さ等の制限
- 高低差
- 地区計画や条例等
- 施工条件
- その他の法令・現地条件
などが関係します。
そのため、
売主物件を候補として考える場合も、
土地情報をハウスメーカー側へ戻して、
必要な建物確認を行います。
売主物件を「建てたい家」と照合する
ARTICLE 03では、
建てたい家から土地側の確認事項を整理しました。
売主物件を候補として見るときも、
同じ考え方を使います。
たとえば顧客が、
- 4LDKを希望
- 駐車場2台を希望
- 小さくても庭が欲しい
- 一定の建物規模を確保したい
と考えている場合、
売主物件の土地情報と、
この建物希望を並べます。
そこでAIに、
「建築できますか?」
と聞くのではありません。
「この建物希望と土地情報を照合するために、何を確認すべきか」
を整理します。
土地価格だけではなく、総予算へ戻す
売主物件の価格が顧客の土地予算に入っている場合でも、
そこで判断を終わらせません。
注文住宅では、
土地と建物を合わせた家づくり全体を見る必要があります。
そのため、
候補地が出たら、
- 土地予算
- 建物予算
- その他費用についての確認
- 総予算
へ戻します。
土地条件によって、
建物側で追加確認が必要になることもあります。
「土地価格が予算内」
と
「家づくり全体が予算内」
は同じではありません。
住宅営業担当者だからこそ、
建物側の情報と一緒に確認することが重要です。
売主物件を見つけたときの基本フロー
ハウスメーカー営業担当者が、
売主物件を候補として検討するときは、
次のような流れに整理できます。
売主物件だから特別な別ルートで考えるというより、
顧客・土地・建物・予算を同じ流れの中で確認する
ことが大切です。
物件資料を見たときは「確認済み」と「未確認」を分ける
土地資料には、
多くの情報が掲載されています。
その一方で、
顧客の家づくりを検討するうえで必要な情報が、
すべて掲載されているとは限りません。
そこで、
資料を確認するときは、
- 資料から確認できたこと
- 資料だけでは分からないこと
- 土地会社へ確認したいこと
- ハウスメーカー側で確認したいこと
- 顧客へ再確認したいこと
に分けます。
ChatGPTは、
この整理にも活用できます。
ただし、
AIへ入力する土地情報は、
正式資料から確認できた内容を基準にします。
AIに「この売主物件はおすすめですか?」と聞くだけで終わらせない
ChatGPTへ土地情報を入力して、
「この物件はおすすめですか?」
と聞けば、
何らかの評価が返ってくることがあります。
しかし、
住宅営業実務で必要なのは、
AIによる単純なおすすめ判定ではありません。
重要なのは、
- 顧客条件と一致している点
- 顧客条件と確認が必要な点
- 建物側で確認する点
- 土地側で確認する点
- 予算面で確認する点
- 現地で確認する点
を見えるようにすることです。
次の後半では、
売主物件の正式情報と顧客・建物条件をChatGPTで並べ、
確認事項を整理する住宅営業担当者向け実践プロンプト
を紹介します。
住宅営業担当者向け|売主物件と顧客条件を照合するChatGPT実践プロンプト
ここからは、
売主物件の正式情報と、
顧客・建物条件を並べて整理します。
このプロンプトの目的は、
AIに
「この土地がおすすめ」
と判断させることではありません。
顧客条件と一致している点、
未確認の点、
土地会社・ハウスメーカー・顧客それぞれへ確認する点を整理すること
が目的です。
私はハウスメーカー・住宅会社の営業担当者です。
注文住宅を検討している顧客について、
売主物件を候補地の一つとして検討しています。
これから、
・顧客の土地探し条件
・建物希望
・土地予算、建物予算、総予算
・売主物件の正式資料から確認できた情報
を入力します。
あなたは、
この土地を「おすすめ」と判断しないでください。
また、
この土地に希望する建物が建築可能と判断しないでください。
入力されていない情報を推測せず、
資料で確認できない事項は「未確認」としてください。
【顧客条件】
希望エリア:
希望路線・駅:
通勤・通学:
駅距離:
土地予算:
建物予算:
総予算:
希望する建物:
希望する延床面積:
希望間取り:
希望階数:
駐車場:
庭:
絶対条件:
優先条件:
調整可能と確認済みの条件:
その他:
【売主物件の正式情報】
所在地:
交通:
土地面積:
価格:
土地形状:
接道:
道路:
用途地域:
建ぺい率:
容積率:
その他の法令・条件:
設備等:
その他資料記載事項:
資料に記載がない項目は
「未確認」と入力します。
【STEP 1|顧客条件との照合】
次の3つに分けてください。
・正式情報から顧客条件との一致を確認できること
・顧客条件と照合するため追加確認が必要なこと
・現時点では判断できないこと
【STEP 2|建物条件との照合】
希望する建物について、
・土地情報から確認できること
・ハウスメーカー・設計担当者側で確認すること
・土地会社へ追加確認すること
・現時点では未確認のこと
に分けてください。
建築可否は判断しないでください。
【STEP 3|予算を整理】
土地価格だけで判断せず、
・土地予算との関係
・建物予算
・総予算
・その他費用について確認したいこと
を分けて整理してください。
入力情報だけで総額を推測しないでください。
【STEP 4|確認先を整理】
次の4つに分けてください。
・土地会社へ確認すること
・ハウスメーカー側で確認すること
・顧客へ確認すること
・現地で確認したいこと
【STEP 5|次回商談用に整理】
最後に、
「売主物件候補地確認シート」
として、
1. 物件概要
2. 顧客条件と一致している点
3. 顧客条件との追加確認事項
4. 建物側で確認する事項
5. 土地側で確認する事項
6. 予算面の確認事項
7. 顧客へ確認する事項
8. 現地確認事項
9. 未確認事項
10. 次に行うこと
の順に整理してください。
🤖 ChatGPTでこのプロンプトを使う方法
- 上のプロンプトをコピーします。
- ChatGPTを開いて貼り付けます。
- 顧客の土地・建物・予算条件を入力します。
- 売主物件について、正式資料から確認できた情報だけを入力します。
- AIが推測した情報を追加していないか確認します。
- 土地会社へ確認する項目を整理します。
- ハウスメーカー側で建物について確認します。
- 顧客へ再確認する事項を次回商談へ反映します。
- 新しい情報が確認できたら、同じシートを更新します。
売主物件の情報を見つけた時点で、
すぐ顧客へ
「この土地が良いです」
と伝える必要はありません。
まず、
確認できることと、まだ確認できないことを分ける
ために使います。
実務例|顧客条件と売主物件を並べてみる
たとえば、
顧客について次のような希望が整理されているとします。
- 希望エリアあり
- 駅から一定距離以内を希望
- 駐車場2台を希望
- 4LDK程度を検討
- 小さくても庭が欲しい
- 土地予算と建物予算を分けて検討している
そして、
富晴等の公開情報から、
条件に近そうな売主物件を見つけたとします。
この段階で営業担当者が確認できるのは、
正式資料に記載されている情報までです。
たとえば、
- 所在地
- 交通
- 土地面積
- 価格
- 接道
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- その他の正式記載事項
などです。
そこから、
「駐車場2台と庭のある4LDKが建てられる」
と結論づけるのではありません。
AIには、
この希望を検討するために次に何を確認すればよいか
を整理させます。
「条件に近い」と「条件を満たす」は分けて考える
土地探しでは、
顧客条件に近い物件が出てくることがあります。
たとえば、
希望エリアにあり、
土地価格も予算の範囲に見える。
その場合でも、
「条件を満たしている」
とすぐに確定するのではなく、
候補として次の確認へ進める土地
と考えます。
特に建物に関する条件は、
土地情報だけでは判断できないことがあります。
そのため、
という順序を意識します。
売主物件について土地会社へ確認する質問をAIで整理する
正式資料を確認したあと、
さらに聞きたいことが出てくる場合があります。
そのときは、
ChatGPTを質問リスト作成にも使えます。
この売主物件について、
ハウスメーカーの顧客向け候補地として確認しています。
これから、
正式資料から確認できた情報と、
顧客の建物希望を入力します。
資料に記載されている内容を質問として重複させず、
資料だけでは分からない事項を整理してください。
また、
回答を推測しないでください。
質問を、
1. 土地条件について
2. 道路・接道について
3. 法令・計画について
4. インフラ・造成等について
5. 建物計画と照合するために確認したいこと
6. 現地確認前に聞いておきたいこと
に分けてください。
質問ごとに、
「なぜ確認するのか」
を短く添えてください。
これなら、
質問を大量に並べるだけでなく、
何のために聞く質問なのか
も整理できます。
売主物件の資料を顧客説明用にそのまま要約しない
ChatGPTへ物件資料の情報を入れると、
顧客向けの説明文も簡単に作れます。
しかし、
その説明の中へAIが推測を加えてしまうと、
正式情報と推測が混ざる可能性があります。
顧客説明用に整理するときも、
次のように分けると安全です。
- 正式情報として確認できていること
- ハウスメーカー側で確認中のこと
- 土地会社へ確認中のこと
- 顧客自身に考えてもらいたいこと
分からないことは、分からないまま伝える。
これもAIを営業支援に使ううえで重要な考え方です。
顧客説明前に使えるChatGPT確認プロンプト
これから顧客へ、
候補地について説明する予定です。
以下に、
・正式資料から確認できた土地情報
・土地会社へ確認済みの情報
・ハウスメーカー側で確認済みの情報
・まだ確認できていない情報
を入力します。
顧客へ説明するために、
1. 確認済みの事実
2. 建物計画との関係で確認済みのこと
3. まだ確認中のこと
4. 顧客へ確認したいこと
5. 次のステップ
に整理してください。
未確認事項を事実のように書かないでください。
「建築できます」
「必ず希望を実現できます」
などの断定表現は使わないでください。
住宅営業担当者が顧客と一緒に検討するための
簡潔で分かりやすい説明メモとして作成してください。
候補地が合わなかったときも、確認結果を次の土地探しへ使う
売主物件を確認した結果、
顧客の希望とは合わないこともあります。
しかし、
その確認は無駄ではありません。
たとえば、
- 駅距離の優先順位が分かった
- 土地の広さより建物予算を優先したいと分かった
- 庭はなくてもよいと分かった
- 駐車場2台は変えられないと分かった
- 別の駅まで候補を広げられると分かった
など、
顧客条件が具体化する場合があります。
その情報を、
次の土地検索条件へ反映します。
候補地を見ること自体が、
顧客の優先順位を確認する機会になる。
こうして土地探しを更新していきます。
富晴の売主物件を見るときも、公開情報を基準にする
株式会社富晴の売主物件を土地探しの候補として見る場合も、
基本は同じです。
まず、
富晴が公開している物件情報や正式資料から確認できる内容を確認します。
そのうえで、
- 顧客条件との関係
- 建物希望との関係
- 土地会社側へ確認したい事項
- ハウスメーカー側で確認したい事項
- 総予算についての確認事項
を整理します。
公開情報に書かれていない内容を、
AIや営業担当者が推測して補う必要はありません。
確認したいことがあれば、
富晴へ問い合わせ、
その回答を建物側の検討へ戻していきます。
売主物件が見つかったら、土地会社とハウスメーカーで情報を往復させる
売主物件を見つけたことで、土地探しが終わるわけではありません。
むしろ、具体的な土地が出たところから、土地と建物の確認が始まります。
土地会社は土地について確認する。
ハウスメーカーは建物について確認する。
住宅営業担当者は、その情報を顧客の家づくりへ戻す。
AIは、その間にある情報を整理します。
よくある質問
Q. 売主物件なら顧客へ優先的にすすめたほうがよいですか?
売主物件であることだけを理由に判断するのではなく、
顧客の希望、建物条件、土地条件、総予算などを確認して候補地として検討します。
Q. 売主物件なら希望するハウスメーカーで建てられますか?
物件ごとの正式情報を確認してください。
建築条件等について確認できる記載がない場合は、
推測せず土地会社へ確認します。
Q. 土地面積が十分に見えれば建物プランも大丈夫ですか?
土地面積だけでは判断できません。
土地形状、接道、道路、法令、配置、施工条件等を確認したうえで、
ハウスメーカー・設計担当者等による建物側の確認が必要です。
Q. ChatGPTに物件資料を整理させてもよいですか?
正式資料から確認できる情報を整理する用途には活用できます。
ただし、
資料にない内容を補完したり、
建築可否や物件の優劣をAIだけで決めたりしないようにします。
Q. 富晴の売主物件について住宅会社から相談できますか?
土地未定のお客様の土地探しを進める中で、
富晴の公開物件について確認したいことがある場合は、
土地情報について相談することができます。
顧客条件や建物条件など、現時点で整理できている内容があれば、
あわせて共有すると確認事項を整理しやすくなります。
関連記事|AI × ハウスメーカー土地探し支援
富晴の売主物件を、家づくりの候補地として確認する
ハウスメーカー・住宅会社で、
土地がまだ決まっていないお客様を担当している。
そのようなとき、
富晴の売主物件が顧客条件に近ければ、
候補地の一つとして確認できます。
大切なのは、
売主物件だからすすめることではありません。
顧客条件を整理する。
正式な土地情報を確認する。
建物側へ戻して確認する。
総予算を確認する。
そして、
顧客へ分かっていることと未確認のことを整理して説明する。
土地情報を、
建物商談を前へ進めるための情報へつなげる。
株式会社富晴は、
売主物件の情報提供だけでなく、
ハウスメーカーの家づくりを土地側から前へ進めるパートナーを目指します。
まとめ|売主物件を「土地情報」で終わらせず、建物商談へつなぐ
売主物件は、
ハウスメーカー営業担当者の土地探しで活用できる候補の一つです。
しかし、
売主物件であることだけで、
顧客に合う土地とは判断できません。
顧客条件と照合する。
建物条件と照合する。
土地と建物を合わせた総予算を確認する。
未確認事項を土地会社へ確認する。
土地情報をハウスメーカー側へ戻す。
そして、
顧客へ説明する。
AIは、
その過程で
確認済みの情報と未確認事項を整理するために使います。
土地会社は土地を見る。
ハウスメーカーは建物を見る。
営業担当者は顧客を見る。
AIはその情報を整理する。
売主物件という具体的な土地情報をきっかけに、
土地と建物をもう一度つなぐことで、
土地未定のお客様の家づくりを次へ進めやすくなります。